■惚れた機材を使って
まず、オレがDJを始めたのが2011年の4月。
最初はタンテで練習していたがあまりの難しさに挫折してしまった。
次に、CDJを使って練習して、3年くらいずっと使っていた。
その時使っていたCDJは、Denon DN-S3500。
モーターが内蔵されていて、プラッターが回転するタンテに近い使用感のあるCDJだった。
この、Denon CDJもまた惚れた機材の一つなので、後にDN-HS5500とか言う変態機材を買うことになるのだが、それはまた別の話。
2013年末。
時折Youtubeで広告動画で流れるポータブルDJシステム、DDJ-ERGOの宣伝が多く
「おぉ! これは!! 格好いいじゃん!!! ほしい!!!!」
と思っていた。
当時は、PCDJも割りと普及期でRANEのScratch Live2だか3だかが出たくらいだったので、PCでDJをするという行為に若干の憧れがあったくらいだった。
何より、新しいDJを作らなくていい、音源を全部持ち歩ける、というCDJプレイには無い大きなメリットに目がくらんだ、というのもある。
がしかし、SCRATCH LIVEは導入に10万前後かかる高級DJシステムであり、「ちょっと興味があって……」で買える代物ではない。
そんな時飛び込んで来たのが、DDJ-ERGOだったのだ。
その後、Wego(初代)、SX(初代)、SZと発売されPCDJ熱が高まりに高まっていた。
もう3年も4年も前の記憶なので曖昧なところがあるが、DDJ-ERGOが当時49,800円くらいだったかな。
その廉価版で出たDDJ-Wegoが39,800円くらい? 当時は4万くらいした気がするんだよなぁ。
DDJ-SXで「4ch DJかっけー!!!」とか思いつつ、思いを馳せつつ99,800円(めっちゃ高い)。
ただ、このDDJ-SXに関しては、DVS(SCRATCH LIVE等)導入を考えると割安だったことを考えるとすごく惹かれていた。
Scratch Liveが約10万前後、DJシステム(タンテなりCDJなり、ミキサー等)が10万15万、と考えると全部で20~30万くらいの投資が必要だったところに、オールインワンでDDJ-SXが登場した衝撃は大きかった。
買わなかった、いや、到底買える代物ではない。
DDJ-SXの廉価版として、DDJ-SRが69,800円だったかな。
DDJ-SRの廉価版として、DDJ-SBが29,800円だったかな?
当時のオレは、「ERGOかっけー! めっちゃ光るしヤベー!!」の衝撃から、「SXやべー! もうこれ最強DJシステムじゃん!」から、「SBかぁ。ちゃっちいなww」まで一気に駆け抜けていた。
同時に、「なんかいいコントローラー無いかなぁ……」なんてネットの海をポチポチ探し回っていた。
そして、ついに見つけた。
Numark Mix track Quad
当時発売価格が49,800円だったのが、何故かは知らないけど29,800円に値下がり(公式発表)しており、4chミキサーが付いている!!!
「これは!!!!!」
4chミキサーなんてDDJ-SXにしか搭載されてないし、-SRはSerato DJで4Deck対応しているけど切り替えボタンだったし、同価格帯の-SBはSerato DJ Introで2chミキサー2Deckしか対応していなかったところに、Mix Track Quadですよ。
その後、「4chなんていらない。幅を取るだけで邪魔なだけだ」と気づくのはかなり遅い。
いや、そのくらいの衝撃があったんだよ。
10万の機能が3万で使える! と言われれば飛びつくのも仕方ないだろう?
そんなわけで、2014年3月にMix Track Quadを購入して以来、今日この日までずっと愛機として使っている。
次に惚れる機材が出てくるまでは……。
***
「新しくDJを始めたい」という入門初心者の多くが最初に抱く疑問、それは「どのDJコントローラーを買えばいいの?」だと思う。
いまや、タンテセットで20万、CDJセットで10~15万の初期投資をする人はいない。
後々本格的にDJをやりたくなって、自宅にセットを買うことはあるかもしれないけども、入門初心者にはまずいない。
見たところ、DDJ-SB2かDDJ-RBの購入が多いみたいだけど。
価格が安いからだろう。
-SB2はSerato DJ Introで29,800円。
-RBはRecordboxで29,800円。
Pioneerの今後を考えると-RBの方が将来性があるかな、とは思う。
老害懐古厨から言えば、
「PCDJというのはDJスタイルの1スタイルでしかない」
ということ。
ターンテーブルを使ってもいい、CDJを使ってもいい、PCDJを使ってもいい、タブレットやスマートフォンを使ってもいい、それ以外を使ってもいい。
何を選ぶかは本人しだいだし、何をやりたいかも本人次第。
フロアのお客さんは「自分の高まる曲が流れたら嬉しい」くらいにしか思っていない。
DJがどんなスタイルで、どんな機材で、どんな練習をして……なんていうバックグラウンドは知るよしもないし、知る必要もない。
それを知るときは、ブースの前からブースの内に来た時だけだ。
基本的にタンテが使えるやつはCDJを叩き、CDJが使えるやつはPCDJを叩き、「◯◯しか出来ねーDJはクソだ」なんて論調。
オレもまたその一人であることには変わりないが。
何が言いたいか、それは、
「自分が良いと思った、惚れた機材を使ってDJを楽しんでほしい」
***
(話がグダグダしてきたので、小文字にしてしまおう)
と思っている。
「仲良くなったDJにオススメされた」とか「価格が安かった」とか、そんな理由でもいいけれど、自分が本当に欲しいと思った機材を買ってほしいと思う。
DJは孤独な戦いだ。
フロアのお客さんは関係ない。
その孤独な戦いの中、共に戦ってくれるのは自分の選んだ、惚れた機材ただ一つ。
トラブルもあるだろう、そんな時にスマートに対処出来るDJは「さすが」と思う反面、あーだこーだとてんやわんやするDJには「おいおい」なんて思ったりもする。
自分の選んだ機材なのだ。
自分が一番わかっていないでどうする。
自分の選んだ、自分の惚れた機材ならば、トラブルは乗り越えられる、と思っている。
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